[7冊目]目標達成する技術 (マイケルボルダック)

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□書 名:目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」
□著 者:マイケルボルダック

--------------- 内 容 ---------------

1.人間の行動原理

本能的プログラム:「痛みから遠ざかり、快楽を求める」
・人生を変える唯一の方法は自分のステージをあげることである。だが、痛みという原動力がなければ、やる気を持ってステージをあげて人生を変えようしない。痛みは友達であり、何かを変えなければいけないことを教えてくれるギフトである。
・だが、痛みを持ったままではゴールに向かうことはできない。人は痛みを避ける習性があるためだ。
①痛みの感情を使い、強力なスタートダッシュを切る。
②次の段階では快楽の感情を使う。楽しくないと大きなゴールは達成できない。

 

安楽の力
・やるべきことが分かっているのに行動を起こさないのは、今の状態が心地が良いからである。痛みを感じたくないという感情が心地の良い状態にとどめてしまう。
・「心地が良い状態」は成長することの反対であり、成長とは居心地の悪さをどれだけ、居心地よくするかにある。

 

人生をマスターするには
・人生をマスターするには感情、健康、人間関係、お金、時間の5つの分野をマスターする必要がある。だが、「感情」をマスターしなければ他の分野をマスターできない。
・目標を達成する人は、目標を作った時には方法なんて知らない。だが、どうしても達成しなければならない感情的理由を持っている。
・人は自分自身のためより他人のための方が、より高いモチベーションを持つことができる。

 

感情をマスターする
・”怒り”などの好ましくない感情を、一瞬で完全な愛に変えられるか?
 自分に情熱を持たせたり、ワクワクを感じさせたりすることが自由自在にできるか?
 感情をマスターするということはそういうことだ。
・感情は、自然に生まれるものではない。人は「なぜ私は落ち込んだのだろう?」というが、それは違う。落ち込むことを自動機械の様に行っているに過ぎない。

 

2.目標とビジョン

人間の究極的目的「6つの感情的ニーズ」
①確実感
 人間は確信や安心感を持っていたい。そうでないと、不安や恐怖を感じるため。
②不確実感
 変化と多様性のニーズ。確実性があり過ぎると、退屈を感じるようになる。情熱は不確実性から生まれる。
③重要感
 尊敬であり、他人から重要だと思われ、称賛されたい。
④つながりと愛
 誰かとつながっていたい、何かに所属していたいという欲求。
 3段階ある。自己愛⇒愛の交換⇒無償の愛
⑤成長
 人間は誰もが、成長してより良い人生を送りたいと望む。将来がこれ以上よくならないと思えば、良い感情を維持できなくなる。人は成長するか、衰退するかのどちらかであり、現状維持はない。
⑥貢献
 人に貢献すること、与えること、役立つことにより満たされるニーズ。これによって、自分の存在意義が、自分の外部にも存在することが感じられる。

 

究極のビジョン
・究極のビジョンは、大きな感情的パワーを生む。しかし、遠すぎる目標であるので、一年以内の目標にブレークダウンする。
①究極のビジョン
②その感情的な理由
③何を得られるか
④究極のビジョンを達成したことが分かる証拠は
⑤何が聞こえているか、周りが何を言っているか
⑥その時に何を感じるか

 

ゴールの設定
・6か月または12カ月の間に達成しなければならないゴールは何かを認識する。
①コンテンツを作る
②人脈を作る

 

1分間ダウンサイジング
・どんな仕事や勉強なども、「1分間だけやればよい」と考える。そうすれば、感情的な痛みはなくなる。1分間で人生は変わる、変えられるのだ。どんあことでも、「1分でいいや」と思えばいい。
・多くの人が目標達成のための計画を実行できないのは、そのプロセス全体にフォーカスしてしまうから。だからいやになる。行動は感情次第である。


2.フォーカスの力

フォーカスの法則
・多くの人が目標を達成できないのは、目標に集中し続けることができないからである。アンソニーロビンズは「あなたは、自分がフォーカスしたものを得る」という。
・フォーカスはパワーだが、それを妨げるものは3つある。
 ①恐怖:怖いと思うとそれにフォーカスしてしまう。そして正しい感情を持たず、悪い  感情を持つ。
 ②手頃な満足:TV、ネット、飲酒は全て簡単に得られる快楽であり、邪魔するもの。
 ③他人:他人が仕事を邪魔をする。

 

フォーカスのコントロール
・人間の思考は1日に2~3万回行われると言われる。この思考のフォーカスをコントロールできれば、自由に感情をコントロールできる様になる。
・コントロールは容易ではない。だが、質問を使えばコントロールが可能になる。
・人間の行動と結果の関係を考えると、「感情⇒行動⇒結果」というプロセスとなる。質問を使うことで、
「自分への質問⇒フォーカスのコントロール⇒適切な感情⇒望ましい行動⇒正しい結果」と改善出来る。
・質問は自分が物事をどう解釈するかによって作られている。繰り返し質問を投げると、人生に一貫したフォーカスを作り出し、フォーカスはある特定の感情を抱かせる。

・パワーを与える質問をすれば、自分を改善できる。
 例:どうしたら私の人生をもっと良くできるだろうか?
   どうしたら私はビジネスチャンスをより掴み、余計なリスクを減らせるだろうか
   この出来事の良かった点はなんだろう?
・悪い質問は悪い感情を作り出す。
 例:私のどこがいたらないのだろう?⇒常に不安な感情を抱かせる。

・私たちの人生の質は、私たちが自分にしている質問の”質”である。全ての人間は、いつも2つの質問をしている。
 「これはどういう意味?」、「それについて、私は何をすべき?」
・人間はどんな出来事に対しても、自分の好きなように意味づけができるのにも関わらず、多くの人はそれをネガティブにしてしまう。全ての痛みの感情は、ネガティブな意味づけからきている。
・本来、出来事そのものには意味がない。自分が意味づけをしているのだから、良い質問をすればいい。
 例:「視点を変えた場合、この出来事の良い点はなんだろう?」、
   「この問題を解決すれば、そのような力が身につけられるか?」
   「この経験をどうやって活かせるか?」
   「この出来事から得られるギフトはなんだろうか?」

 

自分への質問
①目標の設定
 「私は何を実現させたいのか?」
 「私が今、コミットして欲しい結果は何なのか?」
 「なぜ、私はその結果を得たいのだろうか?それは私に何を与えてくれるだろうか?
②行動を起こす
 「私はその結果を達成するため、どのように具体的な行動をとる必要があるのか?」
 「そのため私はどんな人間になればよいのか?」
③やり抜く
 「どうしたら、この壁とクリアできるのだろうか?」
 「このプロセスを楽しめているだろうか?」
 「私は今この瞬間、全力で努力をしているだろうか?」
 「どうしたら、全力を尽くせるだろうか?」
④7つのフィードバック
 「よくできた点は何か?」
 「それはなぜうまくいったのか?」
 「今後も続けた方が良いことは何か?」
 「上手くいかなかった点は何か?」
 「それはなぜうまくいかなかったのか?」
 「今後やめた方が良いことは何か?」
 「今後改善すべき点はどこか?」


3.信念の力

リミティング・ビリーフ
・信念とは単なる思い込みであり、事実ではない。だが、「自分に価値がある」と思う人と、「自分には価値がない」と思っている人では、どちらが行動を生み出すだろうか。
・自分に力を与え、行動を生み出す信念を作ることが成功のカギである。だが、自分自身を制限してしまうような信念「リミティング・ビリーフ」が存在している可能性がある。人生で感じるすべての痛みは、このリミティング・ビリーフから生まれている。
・新しいレベルに行くには、新しい信念が必要である。信念は善悪でもなく、事実でもない。自分の目標達成にとって力になるかどうかが重要である。成功しようと思ったら、「私はできる」と信じなくてはならない。

 

潜在意識
・潜在意識は強い力で、自分に大きな影響を与え、行動を決定する。もし、リミティングビリーフが「私は怠け者である」と口にすると、潜在意識はその言葉通りにしようと自分に命令を下してしまう。潜在意識は善悪でなく、信念のままに働くだけである。

 

インカンテーション
・潜在意識にポジティブな言葉を投げかけて、新たな信念を生み出すのがインカンテーションである。
・もっとも重要な感情である”確信”をもって叫び、更に思い切り体を動かしながら、自分に話かける。例えば、
「私は、見ている!聞いている!感じている!そして知っている!
 私は仕事の天才だ!イエス!」


4.決断

決断力
・本当に成功したいのであれば、決断が必要だ。決断力の欠如というのは、成功するための真の決断をまだ行っていない状態。真の決断とは退路を断つこと。裏口を閉めて、鍵をかけ、その鍵を捨てる。
・真の決断をしているなら、どんな障害があっても、それを乗り越えて成功する方法を見つけ出す。決断すれば、50%は達成したも同様である。

 

決断が重要
・決断すれば、欲しいものを手に入れる道は常に開ける。しかし、完全な決断をしない限り、道は開けない。
・本当に100%の決断をすれば、たとえ今はまだ道が存在しなかったとしても、ゴールに到達する道を見つけることができる。
・そのためには、ゴールが自分の価値観に結びついているかどうかが重要。そのためには自分の人生において最も重要なものは何かを自分に問いかける必要がある。
 「あなたは一体なぜここにいるのか?」
 「あなたの使命は何なのか?」
 「あなたの目的は?」
・そしてその目的を常に覚えていること。覚えているがゆえに、何かを選択するときに、一番良い決断を効率的にできる。

 

--------------- 感 想 ---------------

NLPという心理学を応用した目標達成の方法論を論じた本です。この中で、非常に興味深いと思ったのは、

 適切な質問を自分自身に行う

  ⇒思考のフォーカスをコントロールすることできるようになる

   ⇒感情をコントロール出来るようになる

というくだりです。

・この考え方からすると、”内省”とは「できてないやん!」とネガティブな感情を含んで反省することでなく、自分自身に対して客観的に質問を繰り返していくことが重要だという事がわかりました。